「また今日も残業…なんで自分ばかり?」
この悩みを放っておくと体調を崩したり、人間関係がギクシャクしたりすることも。
実は、ある"考え方"と"対処法"を知ることで、働き方が劇的に変わります。残業時間を大幅に削減し、的確な工数見積もりもできるようになり、仕事の成果も向上させることが可能になります。
この記事では、頼まれやすい性格の社会人に向けて、すぐに使える具体的な解決策をお伝えします。
- なぜあなたは断れないのか?5つの根本原因
- 【簡単チェック】あなたの「無理しすぎ度」はどのくらい?
- 【解決策1】数字で把握すれば、堂々と「断れる」ようになる
- 【解決策2】相手が納得する対応で、気まずくならない
- 【解決策3】IT・SE現場特有の状況もスマートに対処
- 【注意】やってはいけないNG対応
- 【上級テクニック】日頃から「頼まれにくい環境」を作る3つの方法
- 【思考のスイッチ】考え方を変えて根本解決
- 今日からできる一歩
なぜあなたは断れないのか?5つの根本原因
原因1:「断る=悪いこと」という思い込み
多くの人が「頼まれたら断ってはいけない」と思い込んでいます。でも実際は、頼まれることは信頼の証拠で、それに応えたい気持ちは素晴らしいことです。
問題なのは「無理をしすぎること」。適切な境界線なしに引き受け続けると、結果的に自分にも周囲にもマイナスの影響を与えてしまいます。
原因2:人間関係が悪くなることへの恐怖
「断ったら嫌われるかも」「評価が下がるかも」という不安から、つい引き受けてしまう人は多いです。
でも考えてみてください。無理をして品質の低い成果を出すより、適切に調整して良い成果を出す方が、結果的に信頼されます。
原因3:上手な対応方法を知らない
「断り方が分からない」という人も多いです。これは技術の問題なので、適切な方法を覚えれば解決できます。
原因4:自分の状況を客観視できていない
「今どれくらい忙しいのか」を数字で把握できていないと、「断る根拠」を相手に説明できません。
原因5:「断る」以外の選択肢を知らない
「全部引き受ける」か「全部断る」かの2択だけでなく、実は「一部だけ引き受ける」「時期を調整する」「他の人を提案する」など、様々な選択肢があります。
原因が分かれば、対策も見えてきます。まずは自分がどのパターンかチェックしてみてください!
【簡単チェック】あなたの「無理しすぎ度」はどのくらい?
- 緊急性の低い依頼でも即答でOKしてしまう
- 自分の専門外でも「できます」と言ってしまう
- 休憩時間や残業時間に仕事を頼まれることが多い
- 「忙しい」と言えない、言っても軽く流される
- 断った後の気まずさを避けたい
- 理由を長々と説明してしまう
- 何でも受け入れてしまう性格
- 優しすぎて相手を傷つけることができない
【診断結果】
- 0-2個:バランス良好(このスキルを活かそう)
- 3-5個:要注意(基本テクニックを身につけよう)
- 6個以上:要改善(今すぐ対策が必要)
3個以上当てはまっても大丈夫!まずは自分の現状を把握できたことが第一歩です。段階的に改善していけば必ず変われますよ!
【解決策1】数字で把握すれば、堂々と「断れる」ようになる
Step1:今の実態をチェック
まずは自分の現状を正確に知ることから始めましょう。
【1週間の業務記録例】
- メイン業務:60%
- サポート業務:25%
- 急な対応:15%
【理想的な配分】
- メイン業務:70-80%
- サポート業務:15-20%
- 急な対応:5-10%
Step2:余裕度を計算で確認
【計算例】
40時間/週(現状) ÷ 35時間/週(理想) × 100 = 114%
→14%オーバー状態
【対応の目安】
- 100%以下:新しい依頼OK
- 100-120%:条件を相談してから
- 120%以上:基本的に調整が必要
大切なポイント💡:業務時間内で対応できることに絞る
残業ありきで予定を立てると、問題が発生したときに破綻してしまいます。あくまでも定時内で完了できる範囲で引き受けることを基本にしましょう。
周りも残業しているから…と流される気持ちも分かりますが、残業してまでこなすタスクであるかどうかは考えるべきです。本当に緊急性の高いもの以外は、定時内での対応を基準に判断しましょう。
工数の見積もりでも、残業ありきで見積もりは絶対NGです。なぜなら想定外に対応できなくなるから。それでも「工数下げて」って言われる悩みは尽きません(笑)
【解決策2】相手が納得する対応で、気まずくならない
方法1:「断る」→「相談する」に発想転換
「断る」ではなく「相談する」と考えることで、心理的なハードルが下がります。
業務をお任せいただき、ありがとうございます。
現在A案件が立て込んでおり、完了まで2時間ほどかかります。
B案件も着手すると、どちらかが納期に間に合わない恐れがあります。
どちらの優先順位が高いでしょうか?
方法2:数字を使った客観的な説明
感情ではなく、事実で説明しましょう。
申し訳ありませんが、現在取引先への請求書が8件残っており、
そのうち4件は本日12:00までの送信が必要です。
あと2時間しかないため、新しい業務を引き受けると
どちらも中途半端になってしまう可能性があります
方法3:DESC法を使った丁寧な対応
【D】状況説明
「現在○○プロジェクトで△△の課題に取り組んでいます」
【E】説明と共感
「○○さんが依頼してくださった業務の重要性は理解しています」
【S】提案・代替案
「今すぐは難しいですが、来週でしたらお手伝いできます」
【C】選択
「そちらの方が余裕をもって対応できると思います」
【C】選択で「品質が良くなる」とか憶測で語ると、後で手詰まりになることも。着手してみたら思ったより難しかった…なんてことがあるので、安易な約束は避けた方が安全です!
【解決策3】IT・SE現場特有の状況もスマートに対処
パターン1:急なバグ対応依頼
まず把握が必要になる主な確認事項は以下になります。
【SEらしい対応】
- 発生環境は?(本番/開発)
- どういった時に起きる?(再現手順)
- 影響範囲は?
- 緊急度は?(業務停止/機能制限/軽微)
本番障害が発生したら、すべての業務をストップしてでも対応しなきゃいけません。でもそうではない場合は、まず落ち着いて状況を整理することでOK!
パターン2:専門外の技術サポート依頼
例えば自分の専門はWebアプリ開発で、PCハードウェアは専門外だった場合。
より確実に解決するために
・社内インフラチームへの相談
・メーカーサポートへの問い合わせ
こちらの方が早く確実に解決できると思います
パターン3:プライベート時間への侵食
通常業務でしたら明日の始業時間以降に優先順位を確認させてください。
現在進行中の△△案件との兼ね合いもありますので、
どちらを優先すべきかご指示いただけますでしょうか?
「エンジニア=何でもできる」は本当によくあること。「いつものアプリが消えたんだけどどうしたらいい!?」とか…いやいや、自分で調べてよって思っちゃいます💦
【注意】やってはいけないNG対応
NG1:返事を先延ばしにする
断りづらくて先延ばしし、納期ぎりぎりで「無理です!」は最も迷惑です。
NG2:感情的な反応
「忙しいのに何で自分に!」という態度は、今後の関係に悪影響を与えます。
NG3:自分の都合だけを伝える
「プライベートがなくなるから」では、相手は納得できません。
NG4:曖昧な表現
「ちょっと忙しくて…」では、YesかNoかが分からず困らせてしまいます。
【上級テクニック】日頃から「頼まれにくい環境」を作る3つの方法
①業務時間を把握する習慣
各作業にかかる時間を日頃から把握しておくと、数字で説明できます。
②共有カレンダーの活用
細かなタスクも書き込み、「やることが多い」状況を見える化しましょう。
③「一部だけ引き受ける」選択肢
- 「全部は難しいですが、ここまででしたら対応できます」
- 「1〜2名のサポートがあれば、お引き受けできそうです」
いずれにしても管理者に相談することが大切ですね。無理な場合はどういうスケジュールで実施するかなど、一緒に考えてもらいましょう!
【思考のスイッチ】考え方を変えて根本解決
古い考え方
- 「頼まれたら断ってはいけない」
- 「忙しい = 頑張っている証拠」
- 「みんなに役立つ人でいたい」
新しい考え方
- 「適切な対応は、より価値の高い仕事への集中を可能にする」
- 「忙しさではなく、成果で評価される」
- 「得意分野で、本当に必要な場面で力を発揮する」
現場の実感として、「適切に判断できる人」ほど、重要な局面で頼りにされ、評価も高くなる傾向があります。
今日からできる一歩
「頼まれたら断れない」という悩みは、多くの優秀で思いやりのある社会人が通る道です。
人から頼まれることは信頼の証拠で、それに応えたい気持ちは素晴らしいことです。大切なのは、適切な判断とバランスの取れた対応を身につけることです。
今すぐできる3つのアクション
✅【今日】 自分の業務時間を記録してみる
✅【今週】 1つの依頼に対して「相談する」アプローチを試してみる
✅【今月】 上司と自分の業務負荷について素直に話し合う
今日の思考のスイッチ
「無理をしてでも全ての依頼に応える人」
↓
「適切に判断して価値の高い仕事に集中する専門家」
「全部引き受けない」を意識するだけで、気持ちがすっと楽になります。
自分を守ることは、結果的に周囲の信頼を守ることにもつながります。
明日のあなたが、少しでもラクに働けますように。
適切な境界線を引けるようになると、仕事が本当に楽しくなります。一緒に、考えながら成長していきましょう!
自分らしく、価値ある働き方を実現するためのヒントを、これからもお届けしていきます!